ゴマ(Sesamum indicum L.)
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研究概要
ゴマは食用油脂資源として重要な作物です。また、ゴマ種子中にはセサミンなどの機能成分を含んでおり、健康食品としても注目されています。作物としてのゴマの歴史は非常に長く、紀元前3000年以前にさかのぼれるといいます。ゴマは熱帯サバンナ原産と考えられていますが、長い年月をかけて栽培地域が広がり、今日では赤道を挟んだ南北緯45度の範囲内の熱帯から温帯、冷温帯にかけて栽培されています。この長い栽培、伝播の過程の中で、ゴマは多くの変異を獲得し、多種多様な品種や系統が選抜されてきました。
富山大学理学部では50年以上にわたってゴマ属植物の遺伝資源を保持してきました。現在、保存されているゴマ系統は1,000種を超えています。このゴマ遺伝資源コレクションは日本や外国の栽培種、野生ゴマなどを含んでおり、図に示すように植物の形態も様々です。我々はこれら多種多様なゴマ植物の保存、分類を行うと共に、ゴマ植物の様々な形態が遺伝子レベルでどのようにコントロールされているか解析を行っています。
(生物学科 山本将之)
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ゴマの種子色の多様性:黒,白,金だけでなく様々な種子色の品種,系統が存在します
花の形や色の多様性
サク果の多様性:ゴマの種子はサク果と呼ばれる果実の中にできます.サク果の大きさや心房(ゴマ種子が入っている部屋)の数も系統によって異なります
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